照りについて
|
「照り」は筆者の記憶によれば、屋根の軒先の、端部における反り上がりを云う。
建築用語辞典により「照り」を牽くと、Concave upwardつまり、上に凹の曲面または曲線と記されている。「反り」に同じと書いてあるのだ。ならば、わざわざ「照り」などといわず、「反り」でいいではないか。
そこで、一体、「照り」に「反り」という意味があるのか調べてみた。
中国語大辞典※によれば、@照らすA映すB写真を撮るC肖像・写真D世話をする・気を配るH向かって・めかけてIつき合わせるJ見る、などという意味がある。
日本の古語大辞典※第4巻によれば、@光を放つことA晴天の太陽が光を放つことB物の光沢・つや・多くあかあかとした光沢にいう。また、「照りうそ」という鳥名では、うそ(鳥の名)の雄で紅色を呈すとある。「照葉(てりは)」には光沢があって美しく輝く葉、とある。 いずれも反りという意味はない。
では、どこかの方言で反りという意味を表すところはないか?調べた限りそのような方言もない。熟れている(福岡),晴れる(佐渡)というのがあったくらいだ。だいいち、照りの形状自体は、すでに大陸から伝わったことであるらしい。
|
※中国語大辞典
大東文化大学中国語大辞典編纂室編:角川書店
※古語大辞典
:角川書店
|
|