ことわざ集 Saying 3

「宮殿建築には檜を使え」(日本書記)
 民家は人が住むものですし、実用的な建物ですな。伽藍は建物そのものが礼拝の対象としての建物ですわ。杉と楠(くすのき)は船を造るように、槙(まき)は死体を納める棺にせよということも書いてありますな。檜は品がよくて、香りが高くて、長持ちする。
 この檜、ただ素直で柔らかく、使いやすいというだけやおまへんで。新しい材料のときは釘を打つにしても軽く打てますが、時間がたったら木が締まって抜けなくなりますな。五十年もたったらもう抜けませんわ。下手にやったら釘の頭がぴ〜んと飛んでしまいますな。檜はそれほど強い木でもありますのや。
(西)P.15











(西)
法隆寺大工棟梁
 西岡常一










(故)

故事・ことわざ辞典. 小学館
    

「堂塔建立の用材は木を買わず山を買え」(口伝)
 飛鳥建築や白鳳の建築は、棟梁が山に入って木を自分で選定してくるんです。「木は生育のまま使え」というのがあります。山の南側の木は細いが強い、北側の木は太いけれども柔らかい、陰で育った木は弱いというように、生育の場所によって木にも性質があるんですな。(西)P.16
 

巣林の一枝;
 小さな家に安んじて住んでいることをいう。=かたつむりも一家の主。

広き家は鞘鳴り
 身分不相応に大きく広い家は刀身に比して大きい刀が鞘鳴りをするようなもので、かえって具合が悪いものだ。大きな家というのは実用にならず、かえってむだが多いことのたとえ。[俳毛吹草-二](故)

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