いちばん普通でいちばん間違われやすいものから
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コンクリートはセメントに対して水を多くすると軟らかく、型枠の隅々まできれいに打ちあがります。 この、型枠への回り込み易さをワーカビリティといいます。
セメントに対する水の比を「水セメント比」といいます。水セメント比つまり、水分量が高いとワーカビリティは高いのですが、硬化時の強度が低く、クラックが生じやすくなります。
強度もあり、美しく打つには水セメント比を抑え、鉄筋の被りを十分にとることがいちばんです。 |
セメント;
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無機質接着剤の総称ですが、一般に建設などで言うのは普通ポルトランドセメントのことをいいます。
石灰を焼成してつくられる微細な粉末です。水を混ぜると発熱しながら化学変化をおこして固まります。
原料は山から切り出された石灰岩です。日本列島は珊瑚礁をふんだんに乗せた太平洋プレートが押し寄せた褶曲山なので、珊瑚などが積み上がっているため石灰岩は豊富です。
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コンクリート;
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砂とセメントに砂利を混ぜて水を加えて練ったものを生コンクリートといいます。セメントの性質で、化学変化をおこして丈夫な固まりになります。
砂や砂利のことを骨材といいます。 砂利だけだと隙き間が大きく、セメントが沢山必要になり不経済です。砂を混ぜることで隙間が埋まり、セメントがうんと少量ですむわけですね。それに崩れにくいため強度も上がります。塩分を含む海砂は化学変化を阻害し、強度を損なうので厳禁です。
コンクリートは砂・セメント・砂利の3つから成ることを憶えて下さい。
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モルタル;
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砂とセメントだけで練ったものをモルタルといいます。粒が小さいので主に仕上げ材として使われます。コンクリートの床や壁などに仕上げます。石畳などを床に敷くとき、その下に敷くモルタルは水で練ったものでは重みで石がへこみ過ぎたりして難しいので、湿らせた砂とセメントだけを混ぜたものの上に石材を置いて木槌などで叩いて調整します。このときのモルタルを空練モルタルといいます。
モルタルは砂とセメントから成ることを憶えて下さい。
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まとめ
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セメントとモルタルとコンクリートの違いが分かりましたか?
セメント塗りはクラックを埋めるとか、荒い面をならすため数ミリ薄塗りする時ぐらいしか使われません。セメントだけを練ることは滅多にないのです。「セメントの壁」とか「セメントの床」なんて言うのは正確いうと間違いです。
セメントは化学工場で生産される接着材。モルタルはこれに砂を混ぜて水で練ったもの。コンクリートはそれに砂利を混ぜたものです。
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