いよいよ工事にかかろうとするときに、「遣り方(やりかた)」ということをする。建物が実際に建つ位置に杭を打ち、水糸を張るのだ。この時、水糸のかけられた杭の頭が変な形しているのを見かけたことはないだろうか。右の絵のように切ってある。まず、杭の真ん中、縦割りにのこを入れ、ついで両脇から互いに45°、計90°の はすかいに上を切り取る。これを「いすかに切る」と云う。
なんでそんなことをするかというと、ただの戯れではない、杭は建物の位置や高さを決める水糸をかけられ、正確を保たなければならない。誰かに悪戯をされては困る。何者かがげんのうなどで打ち込んだりすると、杭の先がつぶれる。杭が変更されていることを察知することができる訳だ。或いはこの上に腰掛けようとする不届き者?がいたとしても、お尻が痛くてやめるだろう。
ところで、木材の継手手法にいすか継ぎというのがある。材の両方、いすかに切ってから突付けるとぴったり合わさり、ただ突きつけるより自然に見えるし、丈夫でもある。
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